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地球へ…
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「んくしゅん」

「風邪かい?」

酷く心配そうに顔を覗き込まれて、胸が高鳴った。
ブルーの、その白く冷たい手が僕の額に当てられる。
途端、ポッと頬に血が上るのを感じた。

「ジョミー、いつもの平均な体温よりも、0.7度ほど高くなっている。それに少し動悸も早いみたいだ。風邪の引き始めかもしれない」

心配そうに、辛くはないかい?と尋ねられる。
体温が上昇したのも、鼓動が早くなったのも、それは確実にブルーのせいなのに。

「ええ少し、火照っているみたいです。だから、ブルーの手が、冷たくってとっても気持ちいい」

にっこりと微笑んで、するりと、そのほっそりとした指に僕の指を絡めて、白く肌理の細かいブルーのその手を頬に摺り寄せると、ポンッと白いブルーの頬にきれいな赤みが刺した。

可愛いな。

足りない、もっと、もっとブルーに触れたい。
その薔薇色に染まった頬にかじりつきたい衝動に駆られる。
うっかり、愛してると零れ落ちそうになった言葉を必死で飲み込んだ。
だって悔しいじゃないか、こんなにブルーは僕のことが好きなのが分かってるのに、今更自分から告白、だなんて。
なんだか負けた気がする。
他では何一つ勝てないんだから、そこでくらい、勝ちたい。

風邪は引き始めが肝心なんだから、一応薬も飲んでおくこと。風邪薬は寝台の一番上の引き出しに入っているから。
ちゃんと飲んでおくんだよ。
そう、ブルーは神妙な面持ちで言う。
あそこの引き出しに、そんなもの入ってたのか、知らなかった。
風邪薬、粉薬だったら嫌だなぁ。
だってあれ、苦いし、喉に張り付いて咽そうになる。

「苦くないように、カプセルのだから、ちゃんと飲むんだよ」

「はい・・・って思念波漏れてました?」

「?否、君はもうしっかりとコントロール出来ているよ。嬉しいとか、悲しいとか簡単な感情なら伝わってくるけど、以前のようにはっきりとした言葉は分からない」

なら良かった、ブルーから言われるまで、この想いを伝える気は無い。

「ジョミーの部屋の、クローゼットの二段目の引き出しに、厚手のパジャマがはいっているから、今日はそれを着て、温かくして、眠るんだよ」

「それよりも一緒に寝れば温かいよ。駄目?」

その言葉はをなるべく無邪気な子供が発した物のように響かせ、コテッと首を傾げる。
ブルーは、そんな子供じみた仕草に弱い。
それを十分踏まえた上で。
紅い眼を驚きで見開いて、薔薇色の頬を更に鮮やかに染めて、「な、な、な、何を言ってるんだ!」そう言って壊れた人形みたいに口をパクパクさせるので僕は心の中だけで苦笑する。
ああ今日もまた駄目か。
何時になったらブルーから愛の告白をしてもらえるんだろう。

「そうですよね、ごめんなさい。ブルーに風邪がうつっちゃったら駄目ですものね」

ホッとしたと同時に、残念そうに下げられた眉。
そんな顔をするくらいなら、さっきの提案を受け入れてくれれば良いのに。

ブルーは僕が風邪を引いたと思い込んでる。
だから、きっとブルーは僕が眠った後、心配でそっと見に来るだろう。
ちゃんと厚手のパジャマを着ているか、ちゃんと布団は肩までかかっているか、心配で。
いつも眠りを妨げないようにとそっと、慎ましやかに佇むのだ。
僕が居ない時には好き勝手に部屋に入り込み、掃除やらなにやら好き勝手にしていくくせに。
なんていじらしいこと!
ああ愛おしい!

こんなにも、僕はこんなにも愛されている。

一言、たった一言でいい、僕を好きだと、愛しているのだと言ってくれれば。

この狂おしいほどの愛に見合うモノを返してあげるのに。

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